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19 ハンカチ王子 備 考
斎藤 佑樹

早稲田実
(東 京)
WASEDAのエースが甲子園に帰ってきた。初登場の北海道栄戦で4安打完封、荒木大輔以来24年ぶりにもたらした選抜1勝は早実にとって節目の甲子園通算50勝目だった。奇しくも駒大苫小牧の代替出場だった北海道栄戦から斎藤の甲子園伝説がスタートしているのも何かの因縁か。“荒木二世”として真価を問われた関西との2回戦で大立ち回り。片鱗を見せながら、この選抜大会の覇者・横浜に準々決勝で完敗した斎藤は、夏の選手権のマウンドに再び登場する。春まで投げていたワイドアップ・モーションからノーワインドアップ・モーションへ改め、軸になる右足を折り曲げ重心を下げることで低めへの制球を意識した投球フォームで大きく進化を遂げていた。そして、王貞治、荒木大輔ら早実歴代の先輩たちが成し得なかった偉業を達成する。

気迫の231球完投も引分再試合へ
平成18年選抜大会の2回戦。6回途中から登板した関西(岡山)の二番手ダースとの投げ合いは、斎藤自身の最多投球数となる231球の熱投。土壇場9回に追いつかれ7−7の激闘の末に決着がつかず延長15回引分。翌日の再試合では3回から救援した斎藤が3失点。終盤8回、下田に逆転2ランを浴びて敗戦寸前まで追い込まれるも、9回に関西右翼手・熊代の2点タイムリーエラーで再逆転する薄氷の勝利だった。

▼平成18年選抜大会・2回戦 (早実)斎藤佑樹 (関西)中村将貴、ダース・ローマシュ・匡
=延長15回・大会規定により引分=

早 稲 田 実.000 021 301 000 000=7
___西.001 010 203 000 000=7

▼平成18年選抜大会・2回戦=再試合 (早実)塚田晃平、斎藤佑樹 (関西)中村将貴
早 稲 田 実.001 010 002=4
___西.000 000 120=3

夏の西東京大会決勝
選抜は準々決勝で敗退し8強止まり。優勝した巧者・横浜の前に斎藤は6失点(自責点3)、屈辱の初黒星を喫したが、これをバネに夏の甲子園での復活を誓う。その夏、早実は順当に勝ち上がり西東京大会決勝へ進出。相手は4年連続出場を狙う日大三。3−3同点で延長10回に両校1点ずつを取り合い、迎えた11回ウラに早実がサヨナラV。苦しみながらも尻上がりに調子を上げ球速を増した斎藤が抜群のスタミナで完投勝利。早実は10年ぶり27回目の選手権出場を果し、斎藤が再び甲子園のマウンドに登場することとなった。

▼平成18年夏 西東京大会・決勝 =延長11回=
(日大)村橋勇祐、田中一徳、久松延行 (早実)斎藤佑樹

__.201 000 000 10=4
早 稲 田 実.010 011 000 11X=5

怪物スラッガー中田斬り、真っ向勝負で3三振
注目の平成18年選手権大会・2回戦の相手は、選抜覇者で優勝候補だった横浜を撃破し波に乗る強打の大阪桐蔭(大阪)。斎藤は3回、小杉に2ランを浴びるも、その後は要所でフォークボールを交えて大阪桐蔭打線を翻弄。4回以降は連打を許さず、毎回の12奪三振で6安打2失点の完投勝利。2年生の主砲・中田に対して真っ向勝負、3三振4打数ノーヒットに封じ込んだ。終わってみれば、お株を奪う13安打の猛攻で11点、早実の快勝だった。マウンド上でズボンのポケットから出した水色のハンカチ(ハンドタオル)で頬をそっとふいた斎藤のクールな仕草が話題を独占。圧巻の投球内容とは対照的に涼しげなその風貌が人々の心をわし掴みだ。

▼平成18年選手権大会・2回戦
(早実)斎藤佑樹 (桐蔭)石田大樹、松原靖幸、那賀裕司、中道侑志

早 稲 田 実 104 001 032=11
大 阪 桐 蔭 002 000 000=

荒木以来26年ぶり、夏の決勝進出
続く3回戦、斎藤は福井商(福井)に10安打を許しながら粘りの投球で失点1自責点0の完投勝利。7−1で快勝した早実は荒木以来の夏8強入りを果す。準々決勝は、日大山形(山形)・青木の前に沈黙していた早実打線が終盤8回にようやく集中打で逆転、まさに綱渡りの勝利だった。1点ビハインドで相手に傾きかけた流れを食い止めた斎藤の冷静な投球(10奪三振、5安打2失点完投)が逆転劇を呼び込んだ。迎えた準決勝では初回、4番後藤の3ランで幸先良く援護点をもらった斎藤が鹿児島工打線を寄せつけず、13奪三振の無四球3安打で初完封。荒木以来26年ぶりとなる決勝進出を決めた。

▼平成18年選手権大会・準決勝 (鹿工)下茂亮平、榎下陽太 (早実)斎藤佑樹
鹿 児 島 工 000 000 000=0
早 稲 田 実 310 000 01X=5

田中(駒大苫小牧)との名勝負、37年ぶりの決勝戦引分
平成18年選手権大会の決勝戦。駒大苫小牧(南北海道)・田中将大との投げ合いは決着がつかず、あの松山商×三沢以来37年ぶり2度目となる決勝戦・引き分け再試合へ突入。史上最多7試合目の先発登板で4連投となった斎藤が翌日の再試合も完投、2日間の激闘を制した早実が夏の選手権大会を初制覇。最後の打者・田中にはスライダーを連投、147キロの直球を挟みファウルで粘る田中を144キロ外角高めの直球で空振り三振。元祖・荒木もビックリの甲子園アイドルとなった斎藤だが、実力で頂点に上り詰めた瞬間だった。24回を闘い、わずか1点差で及ばなかった駒大苫小牧は中京商(愛知)以来となる史上2校目の夏の選手権3連覇を逃した。

▼平成18年選手権大会・決勝 =延長15回・大会規定により引分=
(駒苫)菊地翔太、田中将大 (早実)斎藤佑樹

駒大苫小牧.000 000 010 000 000=1
早 稲 田 実.000 000 010 000 000=1

▼平成18年選手権大会・決勝 =再試合=
(駒苫)菊地翔太、田中将大 (早実)斎藤佑樹
駒大苫小牧.000 001 002=3
早 稲 田 実.110 001 10X=4
※早稲田実は初の選手権大会V。

斎藤投手の甲子園成績 =11試合8勝1敗(完封2/完投8)


回戦対戦相手登板

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スコア
06
1北 海 道 栄完封910948300◯7−0
2関   西完投152311113875△7−7(引分)
関   西救援710383333◯4−3(再試合)
準々横   浜先発36751263●3−13
救援 34431100
大 会 通 算375543126171611(防) 2.68
06
1鶴 崎 工先発810936311◯13−1
救援 11701000
2大 阪 桐 蔭完投9133612122◯11−2
3福 井 商完投9136107310◯7−1
準々日 大 山 形完投9144510522◯5−2
準決鹿 児 島 工完封9113313000◯5−0
決勝駒大苫小牧完投15178716611△1−1(引分)
駒大苫小牧完投9118613033◯4−3(再試合)
大 会 通 算69948407818109(防) 1.17
甲 子 園 通 算106150271104352620(防) 1.86
平成18年春=ベスト8
平成18年夏=優 勝
 (大会最多投球回 69)
 (大会最多先発試合 7)
 (大会通算奪三振 78=歴代2位)


甲子園通算成績
 8勝1敗 (2分)
 登板11試合
 完投8
 完封2
 投球回数106
 奪三振104
 与四死球35
 自責点20
 防御率1.86

早大
 大学通算31勝323奪三振

日本ハムファイターズ
 プロ通算13勝16敗
 (2014年終了時)
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