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26 トルネード左腕 備 考
島袋 洋奨

興 南
(沖 縄)
平成22年、沖縄県勢初となる夏の全国制覇で史上6校目の春夏連覇を達成した興南のエース左腕。12年前に春夏連覇を達成した松坂(横浜)以来となる破竹の甲子園11連勝は圧巻。独特なトルネード投法で積み重ねた年間102奪三振は左腕投手の歴代最多記録となった。

センバツ19奪三振デビューも初戦で散る
平成21年春のセンバツで甲子園デビュー。初戦は村上勇太(富山商)との息詰る投手戦となり0−0のまま延長戦へ突入。延長10回表、2死二三塁から9番馬渕に中前2点適時打を浴びて均衡を破られ無念の1回戦完封負け(富山商は39年ぶりの選抜勝利)。島袋はこの試合で19奪三振を記録。富山商打線から6者連続を含む「全員奪三振」と10イニングの「毎回奪三振」、さらに4イニングで三者三振を奪う力投も実らず。

▼平成21年選抜大会・1回戦 =延長10回= (富山)村上勇太 (興南)島袋洋奨
富山商 000 000 000 2=2
_南 000 000 000 0=0

夏は明豊に逆転負け
平成21年夏の沖縄大会を制して選手権大会に出場。1回戦は高校通算62発男・今宮健太を擁する明豊(大分)との九州勢対決。4回、5番真栄平が今宮の真ん中フォークボールを右翼席へ運ぶソロアーチ。興南は中盤5回まで3点を先行し、島袋も毎回の8奪三振で無失点の好投。しかし、明豊が6回に反撃を開始。1死一三塁で迎えた今宮の第3打席(前の2打席は三振)。3球ファウルで粘られた後の外角速球をライナーで右前に弾き返され初失点すると、4番阿部にも中前適時打を浴び1点差。8回2死で迎えた今宮の第4打席は、スライダーに泳ぎながら左越え二塁打。ここでも阿部に中前適時打を浴びて3−3同点。興南打線は明豊の二番手野口昴平に1安打無得点と沈黙。9回ウラ、明豊先頭の河野に四球を与えて迎えたピンチに島袋が自らの好フィールディングで2度の送りバントを封じたものの、一塁走者の稲垣に盗塁を許すと、最後は野口に左越えサヨナラ打を打たれて1回戦敗退。

▼平成21年選手権大会・1回戦 (興南)島袋洋奨 (明豊)今宮健太、野口昴平
_南 010 110 000=3
_豊 000 002 011X=4

関西・智弁和歌山・帝京・大垣日大を連破
リベンジに燃える興南は平成22年春に再びセンバツ出場。1回戦で関西(岡山)を4−1で下し、センバツ初勝利を果たす。島袋は10安打を許しながら要所を締め、無四球14奪三振の1失点完投(自身も甲子園初勝利)。2回戦は我如古の8打席連続安打(史上4人目の大会タイ)となる右前適時打、真栄平の中越え2ランなど、打線が奮起して強豪・智弁和歌山(和歌山)を7−2で突き放し、準々決勝は尻上がりに調子を上げた島袋が帝京(東京)を5安打完封。秋の明治神宮大会覇者・大垣日大(岐阜)との準決勝では、投打が噛み合い10−0で大勝して初の決勝進出を決めた。

▼平成22年選抜大会・準々決勝 (興南)島袋洋奨 (帝京)鈴木昇太、山崎康晃
_南 001 001 300=5
_京 000 000 000=0

初勝利から一気に頂点へ
決勝は日大三が山崎福也、興南は島袋の左腕対決。立ち上がり制球を乱した島袋が2回二死満塁から一塁へ牽制悪送球。二者が帰り日大三に先制を許すと、3回は平岩に外角高めの直球を中越えに運ばれるソロアーチを食らい3点差。5回に1点を返した興南は6回、我如古の山崎(日大三)と並ぶ大会通算最多安打タイ記録(13安打)となる右前安打を皮切りに、山川の中前適時打と島袋の左中間2点適時打で逆転。
しかし、2点を勝ち越した直後に日大三に粘られ、大塚の右中間ソロアーチと小林のスクイズ(内野安打)で5−5同点。その後は両投手が踏ん張り、試合は延長戦へ。島袋は7回以降を無安打に抑える快投。興南は12回、真栄平の一ゴロで一塁カバーに入った山崎が取り損ねて1死一塁。山崎の暴投で1死二塁となったところで、日大三は吉澤に継投しますが、吉澤が連続四球を与えて満塁。安慶名の三ゴロ本塁悪送球で二者が帰り勝ち越すと、島袋の左中間2点適時二塁打などでたたみ掛け5点差をつけて勝負を決めた。

島袋は2被弾、5四死球、チーム5失策で苦しみながら、8安打11奪三振で198球の完投勝利。興南は決勝でも13安打と打ちまくり5試合連続二桁安打の63安打を記録。沖縄県勢のセンバツ初出場から50年。記念の年に嘉手納とのアベック出場を果たした興南は、初勝利から一気に頂点まで駆け上がり悲願の初優勝を果たした。

▼平成22年選抜大会・決勝 =延長12回= (興南)島袋洋奨 (日大)山崎福也、吉澤翔吾
_南 000 014 000 005=10
日大三 021 002 000 000=
※興南は初優勝。

42年ぶり夏ベスト4
平成22年夏は4季連続の甲子園となる選手権大会出場。1回戦は鳴門(徳島)を9−0、2回戦は明徳義塾(高知)を8−2で圧倒。3回戦の仙台育英(宮城)戦では我如古の右前適時打、銘苅の中犠飛、国吉大陸の左前適時打などで序盤に4点を奪って、投げては島袋が三瓶の中越えソロによる1点に抑えて6安打10奪三振の完投勝利。この時点で島袋の甲子園通算奪三振106(89回2/3)は平成以降の最多となった。興南の夏8強は第62回大会以来30年ぶり。続く準々決勝では聖光学院(福島)に3点を先制されたものの、聖光学院の2年生エース歳内をKOして10−3の大勝。興南の夏4強は第50回大会以来42年ぶり。

報徳学園が立ちはだかる
迎えた準決勝の対戦相手は試合巧者の報徳学園(兵庫)。初回に先制を許した島袋は2回、木下の中前安打と長谷場・八代の連続四球で1死満塁のピンチ。2死後中島に真ん中直球を左中間に運ばれ、走者一掃の適時三塁打となった。4番越井にも変化球を右前に弾き返され、この回まさかの4点を献上して5点のビハインド。
5回に慶田城の左前2点適時打と我如古の中前適時打で3点を返した興南は6回、島袋の左前適時打で1点差に攻め寄り、徐々に興南ペースに。序盤に5点を失った島袋は我慢の投球でその後の追加点を阻むと、6回に我如古の右中間適時三塁打が出てついに5−5同点。報徳学園は先発大西一成から二番手田村伊知郎に継投しますが、4番真栄平が中前適時打で続き6−5と逆転に成功。島袋は8回、直球が唸りを上げる三者三振。9回は同点の走者を三塁に背負って迎えた4番越井から直球でファウルチップの空振り三振を奪いゲームセット。1点差を守り切る159球12奪三振の熱投だった。島袋は甲子園10勝目(10連勝)。エースを打線が援護する見事な逆転劇で初めて夏の決勝へ進出。

▼平成22年選手権大会・準決勝 (興南)島袋洋奨 (報徳)大西一成、田村伊知郎
___.000 031 200=6
報 徳 学 園.140 000 000=5

史上6校目の春夏連覇を達成
決勝の相手は東海大相模(神奈川)。興南は4回、先頭の真栄平が四球で歩くと、1死後山川がヒットエンドランを成功させて、三塁送球の間に打者走者の山川も二進する好走塁。ここで伊礼が中前適時打を放ち先制。続く島袋のスクイズは外されるが、三塁走者を挟んだ捕手の三塁悪送球で2点目。2死後、大城の左前適時打を皮切りに、国吉大陸・慶田城・我如古の長短打でたたみ掛け、打者一巡の真栄平が右越えに2点適時三塁打を放って東海大相模の先発一二三慎太を攻略して大量7点。続く5回に1点、6回には3番我如古に左越え3ランが飛び出すなど、チーム全員安打の二桁得点。
大量13点をもらった島袋は緩急をつけた打たせて取る投球で9安打1失点の完投勝利。甲子園・年間奪三振数を史上3人目となる三桁102とするとともに、松坂大輔(横浜)と並ぶ甲子園通算11勝目を破竹の11連勝で飾った。また、興南は決勝で19安打を放ち、甲子園・年間2ケタ安打は平成12年の智弁和歌山と並ぶ最多タイの10回目。
興南が作新学院・中京商・箕島・PL学園・横浜に続く史上6校目の春夏連覇の偉業を達成。沖縄県勢として初めての夏の全国制覇だった。

▼平成22年選手権大会・決勝 (相模)一二三慎太、江川恭介 (興南)島袋洋奨
東海大相模 000 000 100=
___南 000 715 00X=13
※興南は選手権大会初優勝(春夏連覇)。

島袋投手の甲子園成績=13試合11勝2敗(完封1/完投10)


回戦対戦相手登板















スコア
09春1富 山 商完投10157619120●0−2
大 会 通 算10157619120(防) 0.00
09夏1明   豊完投8 2/313799144●3−4
大 会 通 算8 2/313799144(防) 4.15
10春1関   西完投91241014011◯4−1
2智弁和歌山完投91371011422◯7−2
準々帝   京完封913657500◯5−0
準決大 垣 日 大先発79426100◯10−0
決勝日 大 三完投12198811553◯10−5
大 会 通 算4668935491586(防) 1.17
10夏1鳴   門先発711657300◯9−0
2明 徳 義 塾完投9126812322◯8−2
3仙 台 育 英完投9141610311◯4−1
準々聖 光 学 院先発812198033◯10−3
準決報 徳 学 園完投91591012555◯6−5
決勝東海大相模完投912094210◯13−1
大 会 通 算517834753161211(防) 1.94
甲 子 園 通 算115 2/3176697130332621(防) 1.63

▼甲子園・年間奪三振10傑(年度は西暦)


投手名出場校名合 計....
32.楠本__... ..1134964
06斎藤_佑樹早稲田実1042678
10島袋_洋奨__1024953
98松坂_大輔__974354
61尾崎_行雄__964254
33吉田_正男. .944846
73江川__作新学院926032
79牛島_和彦__873948
33楠本__. .845133
58板東_英二. .8383

▼甲子園・通算10勝投手(新制高校)
投手名出場校名勝 敗
期 間
.桑田_真澄..PL学園.20勝 3敗2583夏〜85夏
石井__.__.14勝 1敗1678春〜79夏
三浦_将明 . .12勝 3敗1582春〜83夏
荒木_大輔早稲田実12勝 5敗1780夏〜82夏
松坂_大輔__11勝 0敗1198春夏
島袋_洋奨__11勝 2敗1309春〜10夏
加藤_英夫 . .10勝 0敗1066春夏
柴田__ . .10勝 1敗1459夏〜61夏
__正樹 . .10勝 1敗1173春夏
土屋_正勝 . .10勝 2敗1373春〜74夏
野中_徹博__10勝 3敗1382春〜83夏

▼甲子園・年間2ケタ安打5傑(年度は西暦)


出場校名春・センバツ夏・選手権
1回2回準々準決決勝1回2回3回準々準決決勝
1000.智弁和歌山.241051511221219151220
1010___101212151315138151319
987P L 学 園10810131210811111813
802明 徳 義 塾10111511129111310
809中京大中京10111011101691317
平成21年春=1回戦
平成21年夏=1回戦
平成22年春=優 勝
平成22年夏=優 勝

甲子園通算成績
 11勝2敗
 選_抜5勝1敗
 選手権6勝1敗
 登板13試合
 完投10
 完封1
 投球回数115 2/3
 奪三振130
 与四死球33
 自責点21
 防御率1.63

中大
 大学通算12勝20敗
 防御率2.16

ソフトバンクホークス
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