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10 甲子園の土第一号 備 考
福島 一雄

小倉中
_
小倉北
(福 岡)
戦後再開された昭和21年夏の大会では控えでベンチ入り(登板なし)。初登板を果たした翌春の選抜大会で挨拶代わりの3連勝。いきなり準優勝を飾ったのを皮切りに6季連続で甲子園のマウンドへ。夏の選手権では、嶋清一(海草中)以来、史上2人目の5試合連続完封で連覇を達成。流れるような投球フォームで速球はホップしたと称された。まさに甲子園は昭和22年から小倉中(22年夏から小倉)の福島一雄の独壇場だった。

選抜大会が6年ぶりに復活
第二次大戦のため開催中止になっていた選抜大会が6年ぶりに復活した22年春、2回戦で京都一商に2対1で競り勝ったのが甲子園の初勝利。準々決勝、強豪の岐阜商に2対1、準決勝は城東中(高知)に完封1対0、といずれも接戦をものにして、堂々の決勝進出を果たした。決勝の徳島商戦は、お互い敵失絡みで中盤に1点ずつを取り合い、9安打を浴びながら要所を締めた蔵本忠温と、変化球を交えて的を絞らせず1安打に抑えた福島の投げ合いは9回で決着せず、1対1のまま延長戦へ突入した。押し気味の小倉中が10回、11回のチャンスを併殺で潰すと、13回2死満塁から福島が徳島商の板東康介にタイムリーを許し決勝点を奪われ、1対3で敗退、準優勝に終わる。

▼昭和22年選抜大会・決勝 =延長13回= (徳島)蔵本忠温 (小倉)福島一雄
徳島商 000 100 000 000 2=3
小倉中 000 010 000 000 0=1

深紅の優勝旗が関門海峡を越えた
戦後初の夏の選手権は前年、西宮球場で開催されたが、22年夏は7年ぶりに再び甲子園に帰ってきた。小倉中は、エース福島を中心に春の雪辱を果たすべく県予選を制して夏の甲子園出場を決めた。初戦、神戸一中(兵庫)に9対3で勝つと、2回戦は桐生中(群馬)を完封3対0、準々決勝は志度商(香川)に6対1、準決勝は石原照夫の成田中(千葉)に延長10回勝ち越し5対1で勝利、決勝に進出する。決勝では、岐阜商に3点を先行される苦しい立ち上がりも福島が立ち直り、岐阜商の樽井清一投手から中盤5回に1点、6回に一挙4点を奪い逆転、7回にも1点を加えて6対3で勝ち、初優勝を飾る。深紅の優勝旗は初めて関門海峡を越えて九州・小倉に渡った。

▼昭和22年選手権大会・2回戦 (小倉)福島一雄 (桐生)常見忠
小倉中 000 003 000=3
桐生中 000 000 000=0

▼昭和22年選手権大会・準決勝 =延長10回= (小倉)福島一雄 (成田)石原照夫
小倉中 100 000 000 4=5
成田中 000 001 000 0=1

▼昭和22年選手権大会・決勝 (小倉)福島一雄 (岐阜)樽井清一
小倉中 000 014 100=6
岐阜商 030 000 000=3
※小倉中は初優勝。

6・3・3制の学制改革により中等学校野球から新制高校野球となった23年春、福島の小倉中は新制・小倉高校として選抜出場したが、この大会優勝した京都一商に延長13回2対3で惜敗、初戦で姿を消している。

5試合連続完封選手権連覇
23年夏は、大会歌を全国から募集し「栄冠は君に輝く」に決まり、大会名も学制改革により全国高等学校野球選手権大会となる。小倉の福島はこの大会、初戦で丸亀(香川)の香川秀光(のち近鉄)に投げ勝ち2安打完封1対0、2回戦の大分二を2安打完封12対0、準々決勝の関西(岡山)を4安打完封2対0、準決勝の岐阜一を4安打完封4対0、そして決勝の桐蔭(和歌山)を4安打完封1対0、と5試合45イニング無失点で夏の選手権2連覇を達成。決勝は6回、桐蔭・西村修(のち阪神)が制球を乱して出した3四死球とエラーで奪った1点を見事守り切っての連覇だった。

▼昭和23年選手権大会・1回戦 (丸亀)香川秀光 (小倉)福島一雄
_亀 000 000 000=0
_倉 000 001 00X=1

▼昭和23年選手権大会・2回戦 (大分)川原 (小倉)福島一雄
大分二 000 000 000=
_倉 460 000 02X=12

▼昭和23年選手権大会・準々決勝 (関西)吉田 (小倉)福島一雄
_西 000 000 000=0
_倉 000 011 00X=2

▼昭和23年選手権大会・準決勝 (小倉)福島一雄 (岐阜)花井
_倉 000 000 004=4
岐阜一 000 000 000=0

▼昭和23年選手権大会・決勝 (桐蔭)西村修 (小倉)福島一雄
_蔭 000 000 000=0
_倉 000 001 00X=1
※小倉中は2年連続2回目の選手権大会V。

甲子園の土
その後、24年春はベスト4入り、校名を小倉北に改名(のちに小倉に戻す)しての24年夏は右ひじを痛めて不調ながらベスト8入りを果たした。延長10回サヨナラ負けで最終試合となった準々決勝の倉敷工戦後、福島が土を持ち帰ったのが甲子園の土第一号とされている。夏の甲子園で12連勝(無敗)、春夏通算で17勝8完封の成績を残した名投手だった。

甲子園での投手成績
大 会スコア対戦相手備 考
昭和22年春2回戦02-1京 都 一 商_完投勝利:6安打
準々決勝02-1__完投勝利:3安打
準決勝04-0__完封勝利(1):5安打
_01-3__完投:5安打 (延長13回)
昭和22年夏1回戦09-3神 戸 一 中完投勝利:8安打5奪三振
2回戦03-0__完封勝利(2):4安打0奪三振
準々決勝06-1__完投勝利:6安打6奪三振
準決勝05-1__完投勝利:6安打1奪三振
_06-3__完投勝利:6安打6奪三振 (全国制覇)
昭和23年春1回戦02-3京 都 一 商完投:10安打 (延長13回)
昭和23年夏1回戦01-0___完封勝利(3):2安打5奪三振
2回戦◎12-0__完封勝利(4):2安打6奪三振
準々決勝02-0___西完封勝利(5):4安打1奪三振
準決勝04-0__完封勝利(6):4安打5奪三振
_01-0___完封勝利(7):4安打4奪三振 (選手権連覇)
昭和24年春1回戦05-2___完投勝利:2安打7奪三振
準々決勝04-0__完封勝利(8):3安打1奪三振
準決勝00-4___完投:9安打3奪三振
昭和24年夏1回戦○13-2___完投勝利:9安打4奪三振
2回戦○15-4__重台-福島 (救援勝利)
準々決勝●06-7__福島-重台 (延長10回)
昭和21年夏=2回戦(投手=畑間)
昭和22年春=準優勝
昭和22年夏=優 勝
昭和23年春=1回戦
昭和23年夏=優 勝
(5試合連続完封、45回無失点)
昭和24年春=ベスト4
昭和24年夏=ベスト8

甲子園通算成績
 17勝3敗
 8完封
 選_05勝3敗
 選手権12勝0敗

早大→八幡製鉄

平成25年に野球殿堂入り
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